農業研修と言えば野菜の生産技術を習得する研修を思い浮かべるかと思いますが、農業を始める時に生産技術が問題となることはあまり多くないと思います。本音を言えば野菜の生産に関しては実践するのが一番だと思っています。なぜなら、腕のいい農家ほど自分の圃場の特性を理解して生産しています。さらに違う圃場では微調整していかないといけないことを痛いほど経験していると思います。つまり新しい土地で始める以上最初は失敗してその土地の特徴を自分で見つけていかないといけません。様々な農家に合ってどんどん技術を真似していくしかないのです。農業研修をしている時に新規就農したらこの農法でやるぞーと頑張って習得した技術が自分の土地で通用するかしないかは始めてみないと分かりません。
新規就農して問題になるのは生産技術とは違うところにあると思います。新規就農者が借りられる土地はいいところは多くありません。親父が最初に借りた土地はとてもいいところでしが自分が借りた土地はなかなか野菜の育たない所で苦労いています。この経験をするまで親父の借りた土地の良さに気づきませんでした。先祖代々の農地を耕している人はこのことに気付いていない人もいます。販売先も既存農家に抑えれているのでなかなか上手くいかないのが現実だと思います。さらに田舎の農家には独特の見えないルールがあるのでそれに慣れるのも難しいです。自分は適用能力が低いのか10年以上やっていますがまだよく分からないところが多いのが本音です。
つまり生産技術があっても「土地」、「売り先」、「田舎の習慣」などなどの問題があり上手くいかないどころか始めるのも難しいのです。先祖代々の自分の土地を持ち、研修生がいて、補助金や不動産収入があるいわゆる豪農を真似しても上手くいかないのは当たり前です。土地も無く、人もいない、副収入も無い状態で始めるなら自分に合った方法を見つけるしかありません。さらに、昔と違い今は機械の大型化やIT化が進み生活するために必要な農地面積も多くなってきています。昔ながらの農家スタイルや制度では上手いかくなっているところもあると思います。この辺りが既存の農家に研修に行っても新規就農して生活していくのが難しくなってしまう原因だと感じました。勿論、新しいことにどんどんチャレンジしてとても参考になる農家も多いいです。ですので研修先の農家によって感想は全然変わってくると思いますので注意してください。
ネガティブなことばかり書きました悪いことばかりではなく応援して下さる方々も多く存在します。地主や朝市、ご近所の方々、車屋さん、資材屋さん、行政の人、スタッフさん、凄腕農家、変なおっちゃん、勿論お客さんなど地方をよくしようと協力してくださる方々も多くおられます。新規就農が成功するかしないかはこのような応援して下さる方々がどれだけ周りに多くいるかにかかっています。幸いにも私たちの周りには応援して下さる方々が多くいたため新規就農して10年以上続けることができました。今もYONESATAは多くの方に支えられて存在しています。皆さんも農業研修で沢山失敗して新規就農でドッカーンと成功してください。
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