太陽光発電

トマト作りと太陽光発電は自分の中では全く同じものです。

トマト作りをするときに太陽光パネルイメージしながら栽培します。仮に太陽光パネルを設置する場合に設置密度や角度、パネルの種類、立地などを検討すると思いますがトマトも同じです。トマトの葉っぱ一枚一枚を太陽光パネルだとすると少ないと非効率だし多すぎても影ができてしまいその部分は呼吸などの消費活動をしてしまうので非効率です。空間を最大限有効活用するために水は100ml、温度は0,5度単位で変化させながらコントロールしていきます。

太陽光パネルの種類も安いけど発電効率が悪いものから高いけど効率の良いものなど様々あると思いますが、トマトの品種も美味しいけど収量が少ないもの、あまり美味しくないけど収量の多いものなど様々です。また、温度変化で発電量が変化するようにトマトも変化するので季節によって品種を変えています。スーパーで並んでいるトマトも様々な品種のものが並んでいますので時期によって違うものを買っているはずです。

立地も太陽光発電をする場合太陽光がよく当たるところを選ぶと思います。山影になって生産効率の悪い場所にはあまり作らないと思います。トマト畑も作りたくありません。これは銀座の一等地と奥多摩の山の中ぐらいの違いが畑にもあります。

ススキ栽培において一番の肝は品種選定にあると思います。ススキ栽培の損益分岐点はおおよそ1ヘクタールあたり15トンぐらいになると思います。在来種のススキですと5トンぐらいしか取れないようなので規模があっても採算は合いません。バイオマス先進国では現状では20トンぐらいで運用されていて小麦より収益は良いようです。これはインフラと法制度がきちんとしている場合ですが仮に1ヘクタールあたり30トンを超えてこれば収益はとてもいいと思います。太陽光パネルの変換効率によって収益が変化するのと同じ構図です。あまりにも変換効率が悪い太陽光パネルを使うとどんなに大きくしても採算は合わないと思います。

 

錬金術と植物とリアル

鋼の錬金術師を読んだことはあるだろうか、読んだこのとのない人のために説明すると母親を亡くした兄弟が母親を生き返らそうとして錬金術を行うが失敗し、勉強料として体の一部を取れれてしまい取り返すために旅を続けるという物語だ。詳しくは是非漫画やアニメを見て下さい。

この物語なのだが農業をやっているとよくできているなと思う部分がいっぱいある。この物語の根幹にある等価交換は植物を生産しているとイヤというほど思い知らされる、肥料に含まれている窒素、リン、カリ、カルシュウム、マンガン、・・・水に二酸化炭素など材料がありそこに大地の恵みと日光のエネルギーが加わり還元作用が行われ食料が出来上がる。さらに人の命は蘇らない設定になっているが植物も一度枯れたらもう戻ってこない。多すぎても少なすぎても等価交換できる量しか生産できない。書いていたらきりがないぐらい農業とかぶる部分多い。食物連鎖というか質量保存の法則と言えばいいのか自然界の法則がスッと体の中入ってくる感じだ。

最近知ったのだが鋼の錬金術師の作者は北海道出身で実家は酪農をやっている農業エリートだった。しかも女性、てっきり男性だと思っていた。なぜ知ったというとこの作者が百姓貴族という漫画を描いている。この本は農業を題材にした漫画なのだがリアルすぎる。相棒の米本は農業の現実が書かれすぎていて途中で心が折れてしまったぐらいリアルに書かれている。漫画なので面白く書かれているがリアルになると結構怖いのでこの話はまた今度書こう。新規就農される方は是非、農業貴族を読まれることをお勧めする。消費者の方にも読んでもらいたい。YONESATAでは教科書にしようと検討中だ。荒川弘さんマジリスペクトです。

トマトと天気と味

仕事としてトマトを毎日食べている。味は日に日に変わって行くので味見をしないといけない。特に天気の悪いときは味が乗ってこない。
味の変化は1、水 2、収穫する段数3、温度の順番で敏感に変わってくる。天気の悪いときは味が乗ってこないのだがそんなときはリンの多い肥料をやったりするとよくなったりする。
だが長年やっているとトマトの味はそれぞれのお客様の好みの方が大きいファクターになってくる。固いの、柔らかいの、甘いの、酸っぱいの,,,,,それぞれ好みが別れる。そのなかでも「昔ながらの青臭いトマトがいい」と言う人ほど甘いトマトを好むのは面白い傾向だ。
是非色々なトマトを食べて自分の好みを見つけて欲しいと思います。最近は黄色トマトがおすすめです。