新規就農の3つの心得

新規で農業を始めるにあたって三つの心得を紹介したいと思う。

  • 農業はビジネスである

農業は自然とともにゆったり時間を過ごして…みたいな考えを持って始めると絶対後悔する。慣行的な農業は1億円規模の設備産業だと思っておいた方が始めてから後悔しない。先祖代々の土地を引き継いでやっている人たちに追いつこうと思うとそのぐらいかかるのだ。農地だけでも土地の価値としてはあまり高くはないが土地の改良や規模拡大には1000万規模のお金がかかる。それを農地価格だけで相続する人達と戦わないといけない。農業は投資をして経営戦を立てて行う仕事なのだ、決して作業をするボランティアではない。それが嫌なら自然とともに行う農業の新しい姿を1から考えてベンチャーとして新ビジネスとして行う方がいい。YONESATAではこちらをお勧めする。とにかく頭を使うことだ。

  • 農業は一人ではできない

農業は一人で鍬を持ってリヤカー引いて始めることはできる。しかし、続けていこうと思うときつい。農業は情報戦なのだ。資材を買ったり、役所の手続きをしたりするときに人と関わることになるがこの辺りは対応する人によって結果が違ってくる。このあたりの情報収集網がないと悲惨な目に合う。幸いYONESATAは良質な外部の仲間に恵まれたため法人化することができた。むしろ仲間がいなかったら農業そのものをやめていただろう。量より質でいかに良質な仲間を作るかが最初の課題になると思う。勿論、お客様がいないと営めないのも農業だ。

 

  • 農作業を死ぬ気でやるな

儲からないといって農作業を死ぬ気でやってはいけない。本当に死んでしまう。死ぬ気でやるなら死ぬ気で考えぬいてほしい。生きていれば勝ちなのだから。これが一番重要だと思う。

 

以上新規就農を志す人へのYONESATAからの思うところでした。

居場所と成長

置かれた場所で咲きなさいという本を読んで思うところを少し。

今の世の中、物理的移動はそれほど難しいくないが境遇などはどうしようもならない。植物だって土や水を選ぶ、咲けないところでは咲けない。人間も同じでもう少しああだったらよかったのに思うところはいくらでもあるだろう。

この本から思い出したのがマザーテレサの言葉「身近な人を救いなさい」だ。地球の裏側で難病に苦しむ人を救うのと隣に座っている人声をかけるのは同じ効果があると思う。費用対効果で言えば声掛けの方が断然いい。勿論、難病を治すことができる人は地球の裏側だろうが宇宙の果てまで行ってどんどんその能力発揮してほしと心から思う。しかし、皆が皆難病を治せる力があるわけではないし全員が難病ばっかり治していたら農家に大工、音楽家、清掃員、消防士、、、がいなくなり生活ができなくなる。それぞれ周りの状況を含めてその人にしかできないことがなるのではないだろうか。

また、あまり正確に覚えていないのだがホリエモンさんが「自分探しの旅は無駄、自分は作るもの」とかワタミの渡辺美紀さんが「天職など無い、今の仕事が天職だ」など言われていたのは結局同じことのような気がする。資本主義の最先端の人たちとその真逆にいるような人が表現は違うけど今いる場所で頑張りなさいと同じことを言うのは何か真理的ものがあるのではないだろうか。

トマトは病気で枯れた所に新しい苗を植えても周りと大きさが違うと育たなくなる。そこで下の方の花を摘んで周りを少し広げてあげると周りに追いついてくる。居場所さえあれば植物は勝手に育ってくれる。人間も居場所さえ作ってあげたら勝手に大きくなってくれるのではないだろうか。生きていくうえで居場所はとても重要だ。今の場所で一所懸命生きていきたい。

バターと不足とブログ

バターの不足問題について熱いブログがあったので触発されてバター不足問題について考察してみたいと思う。

まずバターを牧場で作ったらどうなるか考えてみた。

ビンに入っているような美味しい牛乳一本を500円として、販売するための経費を抜くと1L 300円ぐらいが原材料費になるとする。

バターの作り方はボトルに入れて振ればできるのかな?そうすると振る機械を導入するとして1日1万円ぐらい見積もる。さらにスタッフを1人雇うとして7000円。加工施設を光熱費込で5000円ぐらいとする。

一人で加工できる牛乳を100Lとすれば生産できるバターの量は5㎏になる。100g当たり1040円のバターができる。お店で売っているバターは200gが多いので200gに小分けする費用を入れ、お店に出せる状態で2200円ぐらいになるかな。そこに販売経費を入れると店頭価格税込み2800円ぐらいがお客様に提供できる値段になってくる。

加工部門の利益を入れるとさらに高くなるので3000円ぐらいお客様から頂くビジネスモデルを考えないと利益は出ない。計算式は適当だけど自分でやろうと思うとこのぐらい取れないと始められないと思う。

既存の価格の5倍、海外の10倍近い値段になってしまう1箱3000円のバターを買える人がどの位いるだろうか。おそらくそんなにいない。バターは不足しているのではなく日本製を買える人がいないのが現状だ。これは農業の後継者不足ではなく後継することができる事業がないのも同じだ。

農作物全般に言えることだが解決策としては輸入するか日本で安く作れるようにするしかない。どちらも農家を守るためと言って国はやりたがらない。このままでは後継者不足だし何か刺激が必要なら日本でできるだけ安く作れるように制度を変えてしまうのも一つの手ではないだろうか。特に中間搾取を抜くだけでかなり安くできるようになる。それでも日本クオリチィーのバターなら1000円は下らないと思うしその価値は十分ある。

農業を新規で始めたい人に読んでほしい記事でした。農業を始めようとすれば必ずイノベーションを起こすベンチャーにならないとやっていけない。小さな変化を小さな農家は続けている。

予測と予定と余裕

今日は土曜日、日曜日は市場が休みなのでゆっくり作業できる日だ。なのでミニトマトを収穫してから直販用の準備をして研究所に持っていく写真を撮ったりゆったりと時間が流れていた。
お昼になり収穫部隊が帰ってくると予想の倍以上とれている。収穫コンテナが足りなくて予備の大きめのコンテナを使ってもまだ終わらなかったらしい。しかも、割れトマトが予想の以上に多い。午後からは発電機の修理でもしようかなと思っていたが予定変更、ガッツリ作業にはいる。
農業は予定通りにいかないが嬉しいこともある、スタッフさんが割れとまとがあるのでで多めに収穫してくれた。指示も出さないで自分で考えて行動してくれたのだ。それが収穫量が多くなった原因ではあるがとても嬉しいことだ。
予定通りにいかないなら最初から余裕を持っておけばいいと思った1日でした。

トマトと人と成長

毎日ハウスを見ているとトマトが突然やる気スイッチが入ったかのように急成長するときがある。晴れが続いた後に雨が降ると一日で10㎝以上伸びたのではないかと感じる。農業を始めた頃、先輩農家のおばあちゃんに「トマトは人間より成長が早くて楽しいでしょ」と言われたことがあった、その時は種をまいてから収穫まで半年ぐらいかかるので植物は成長が遅いと感じていたため何を言っているのかよくわからなかったが最近なんとなく思うところがある。

スタッフが増えてくるなか、うちにくるスタッフは勿論農業初心者なので一から教えることになる。その中で突然上手になったりやる気になったりする。坂道のようにではなく階段を上がるように段々とある日覚醒したかのように上手になっていくのだ。この成長の仕方は植物と全く同じだ。人に教えるうえでこのことは注意しておくことにしている。成長が目に見えなくても我慢、そこは階段の平たい部分であって着実前に進んでいる段階だからだ。いつかきっと上がる時が来る。

この変化はダイエットも同じだ、停滞期がある。現在トマトダイエット実行中の自分も最近停滞期中。

農業とビックデータとマニュアル

googleが農業ベンチャーに進出するニュースが流れていた。農業分野のデータを収集して栽培や流通に役立てるらしい。この分野は今からとても伸びると皆直観的思うだろう。農業のマニュアル化は随分進んだとはいえまだまだやれることはある、しかし一番のネックは天気予報予報だったりする突然の雨が計画を全部洗い流してしまうことが多い。google先生のビックデータが農業のマニュアル化の促進に役立つと期待しつつ動向に注目しておこう。

しかし、18億円の投資とは多いのか少ないのか。データ収集として農業用のセンサーなんかは一般用とは○が一つぐらい違い高いものが多い。ハウスの中は高温、多湿、肥料の塩分などで一般用のものだと1ヶ月もしないうちに壊れてしまう。うちにある温度計は熱で溶けて変形している。どうにかこの辺も安くできるようになってくれれば嬉しいかな。

農地の番地

農地には番地がありますが○○○○ー1、○○○○ー2など結構細かく分かれています。土地の借地契約を交わすときに農地を大きくしても番地が何個もあるので管理が大変です。また、gooleマップでもあまり正確に認識してくれづ郵便物が畑に届かないことがあります。農業にとって畑は職場なので何とかならないかな。いつもamazonをハウスの中まで届けてくれる配達の方に感謝!

廃プラについて

今日は農業用ビニールの産廃手続きについて説明してもらうため、県の環境センターに行ってきました。手続きについて説明を受けましたが今の状況では廃棄するための施設が足りず販売行者に引き取ってもらうことしかできないとの結論に至りました。ゴミの資源化のためにも産業廃棄物の法制と農業の実態ががもう少し歩みよらないといけないと痛感した一日になりました。しかし、廃プラは燃料用のペッレットに加工する施設は意外と多くあることが発見できたので土や水などが混ざっている農業用ビニールもペレット化できないか検討してみたいと思います。

農業とお客様とビジネス

農業にとってお客様とはだれなのか常日頃考えている。市場なのか流通業者なのか元卸、仲卸、小売り、飲食店なのか・・・。やっぱり食べてもらえる人がお客様だと思う。しかし、食べてもらう人から直接お金もらうことが少ないとよくわからなくなってくる。流通コスト、小売りコスト、商品ロスのコスト、料理店なら調理するコストなどが入ればもちろん当社の野菜の「食べ物」の価値としていくら払っているのかわからない。

直販することですべてが解決するわけではない、近所のスーパーで買える便利さはお客様にとってとても有益だし。ほかの商品と比べて買えるのもいいことだ。お客さんが購入方法を選べることが一番いいに決まっている。ただ、今までどうり小売りや元卸しが強い力を持っている古い業界体質ではビジネスとしては成り立たない。もっと新しい販売方法に挑戦して、農業をビジネスとして成り立たせ人が食べる「食べ物」を生産してることに自信を持てる業界にしていきたい。決して人間が食べる「エサ」を生産している現場にしたくはない。

トマト栽培、50点を目指して行動してみよう

90歳で現役バリバリのトマト農家がいる。その方にトマト栽培のコツを質問したら「40年続けたら上手になる」と冗談交じりで答えてくれた。その方は60年以トマト栽培を続けてこられた大先輩だが、100点満点に栽培できたのは40年目の一回だけでほかの年は何かしら失敗しているという。60年以上続けて100点をとれたのは一回だけらしい。
自分は毎年70点を目指して種をまいてきた。最初から100点を目指して種をまこうとすると頭で考えすぎて行動できない。行動しないと0点で終わってしまう。植物相手の仕事なので70点ぐらいを目指して行動した方がいい結果に終わることが多い。
最近農園に人が増え来たこともあって自分の理想どおりにいかないことも多くなってきた。そこで、30点も取れればいいのではないかと思うようになった。自分の中では30点でも皆でやることが大切だと感じるようになったためだ。そこで70点と30点の間を取って50点を目標にしてみようと思ったが、大学時代英語の追試で50点取るのに苦労した暗黒の記憶が鮮明に蘇ってきた。ま!何とかなるでしょう。